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Phantom

2022

​板にジェッソ、サーモ顔料、紫外線顔料​

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 展覧会《亀裂と応答》にて展示された〈Phantom〉は、新型コロナウィルスの感染拡大により日常生活のさまざまな場所で見られるようになった、体表面の温度を測定するサーモグラフィックスに端を発している。それはさしづめ幻影のように、温度という不可視な、しかし確かにそこにあるものがデジタル上のグラフィックスにだけ表される。
 これらを温度により彩度が変化するサーモ顔料、また紫外線により同様に変化する顔料を塗布したパネルを制作し、室内空間と室外の環境との関係変化に応じて色彩が可変するインスタレーションとした。
 このような、人の可視光線の閾の外側を写しとる試みは、これまで制作手法のひとつとして用いてきた写真とも関連している。〈Phantom〉とfantasy(幻想)、そしてPhoton(光子)の語源は「光」を意味する同一の語とする説があるが、幻影も幻想も、それらを写しとる行為もまた、現代においてはそれぞれに分断された、しかし本来はひとつの繋がりの中にあるものと言える。

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